何度叱っても言うことを聞かない子どもになる理由と対策法【4・5歳】




皆さんは、子育てするなかで、以下のような悩みを持ったことはありませんか。

  • 叱っているのに、毎回スーパーでお菓子欲しがって寝転がってツラい
  • 注意しても注意しても、何度もコップをこぼしてしまう
  • 毎日朝は準備で忙しいのに、何度注意してもなかなか服を着替えてくれない

これらの悩み、実は子ども自身の自己肯定感が低いのが原因かもしれません。


どういうことかというと、自己肯定感の低い子どもは、自分自身に自信がないことから、親の愛情を受けるために極端な方法で気を引こうとしたり、注意されても自分にはできっこないと思って直さなくなります。


詳しく説明しますね。

自己肯定感の低い子どもの特徴は「過度な承認欲求」と「あきらめ」




子どもは、2・3歳ごろに第一次反抗期に入ります。いわゆる「イヤイヤ期」と呼ばれ、自我の芽生えというお母さんから離れて「自分自身」を見つける大事な時期だと言われています。

その後、イヤイヤ期を終えるかと思っていると、4歳・5歳になっても、欲しいものをねだったり、注意しても注意してもそれをあえて聞かないかのように同じミスをする、まるで「成長したイヤイヤ期」とでもいうような行動を子どもがとることがあります。

イヤイヤ期を過ぎたのに、どうしてこんなに言うことを聞いてくれないんだろう?何度もくりかえし叱っているのに、同じようにコップをこぼしてしまったり、服の袖を料理に付けてしまったり、全然しかった効果がないじゃないか。

ってイライラしてしまったり、悲しくなってしまうことってありますよね。

この「成長したイヤイヤ期」は、自我の芽生えを終えた子どもたちの自己肯定感が低いために生まれたものなんです。

自己肯定感の低い子どもの特徴は、

  • 過度な承認欲求
  • あきらめ


にあります。

自己肯定感とは、「自分の存在には価値がある」「自分自身に満足できている」と自分の価値や存在意義を肯定できる、自分自身を認め尊重できる感覚のことです。子どもの場合は、子ども自身が自分のことが好き、今の自分自身に満足しているという心のありかたをいいます。

そして、子どもの自己肯定感が高い場合、今の自分自身に満足しており、お父さん・お母さんから無条件に愛されていることを感覚的に理解しています。

そのため、失敗してしまったことも、何度もがんばっていればいつかはできるはずと考えますし、無理にお父さん・お母さんの愛情を確認しようとすることもなくなります。

一方で、子どもの自己肯定感が低い場合はどうなるでしょうか。


子どもは、今の自分自身に満足しておらず、自分自身に自信がありません。また、お父さん・お母さんから愛されているのかいつも不安に感じています。


そのため、失敗してしまったことについて、次のように考えてしまいます。


「失敗して注意されちゃった。でも、自分ががんばっても次はできるかどうかわからないし、やりたくない。失敗するようなことはもうやめよう。」

その結果、遊びやお勉強・運動については、失敗しないようにやりたがらなくなりますし、食事などの避けられない行為については、やりたくない!という思いが強く出るため、どうすれば失敗を避けられるかという点には意識が及ばなくなるので、結局同じ失敗をするようになってしまいます。

したがって、何度叱られても言うことを聞かない子どもになってしまうのは、自己肯定感が低いのが原因なのです。

では、なぜ自己肯定感が低くなってしまうのか。

それは、普段子どもを褒めたり叱ったりする方法が間違っているのが原因です。

間違った褒め方・叱り方のポイントは、条件付きの愛情表現か・無条件の愛情表現かにあります。

そこで、条件付きの愛情表現・無条件の愛情表現を説明したうえで、子どもが言うことを聞かなるなる原因となる低い自己肯定感の改善方法を紹介します。


条件付きの愛情表現・無条件の愛情表現



子どもを叱ることも、褒めることも、どちらも子どもがきちんと育ってほしいという親の愛情を表現する手段の一つです。

その愛情表現に条件を付けているか、条件を付けていないかが非常に重要なのです。

では、条件付きの愛情表現・無条件の愛情表現をそれぞれ見ていきましょう。


条件付きの愛情表現は自己肯定感を失わせる



条件付きの愛情表現とは、褒める際、叱る際に、「~したら」「~しないと」「~できたら」などの条件を付けることをいいます。

例をいうと、

  • 「ドリルが終えられなかったから、今日はもうおやつは抜きだよ。」
  • 「7時30分までにご飯を食べ終わろうって言ったよね。なんでできないの。もう寝る前のお約束の絵本はなしね。」
  • 「今日は、朝きちんとお洋服おきがえできたから、おやつを食べてから保育園へ行こう。よくできたね。」

普段の生活の中でついつい言ってしまいがちな言葉ではないでしょうか。しかし、これらの言葉はいずれも子どもの自己肯定感を下げるトゲを持った言葉です。

②が子どもの自己肯定感を下げるのは明らかです。「なんでできない」という言葉が子どもに、自分はできないという意識を植え付けてしまいます。


①は、一時的には言うことを聞かせるのには効果的ではあります。しっかりドリルを終えたらお菓子が貰える・褒められる。そのために、頑張ろうと。

しかし、だんだんとトゲが深く刺さっていきます。ドリルやった、褒められた、うれしい。次はできなかった、お菓子ない、お菓子のためにがんばろう。でも、お菓子が貰えないならドリルはしたくないなぁ…。ドリルしないとお母さんが褒めてくれないし。ドリルしたくないなぁ…、ほかのお片付けとかもお菓子もらえないとやりたくないし。

いかがでしょうか。だんだん、お菓子という報酬がないとやる気がなくなっていきます。さらに、ほかのお片付けなども報酬がないとやる気を失っていっています。そして、そこにお母さんの愛情表現を受け取る部分は非常に少ないです。


その結果、お母さんから受ける愛情が少なくなり、自己肯定感が育まれないのです。

③も同様です。お菓子もらえるから頑張れる。ほめてはくれるけど、うれしいのはお菓子が貰えるからです。そこでは、おかあさんに褒められたという経験は希薄です。

お母さんは、愛情込めて接しているつもりなのですが、その愛情が子どもには届いていないのです。


無条件の愛情表現は自己肯定感を育む



一方で、無条件の愛情表現とはどのようなものでしょうか。

簡単にいうと、先ほどお伝えした「~したら」「~しないと」「~できたら」などの条件を付けずに褒めたり、叱ったりすることをいいます。

ただ、子どもの自己肯定感をより育みたいと思うのであれば、2つのポイントを抑える必要があります。


それは、

  • 褒め方・叱り方を意識する
  • 親の願望を中心に褒めたり叱ったりしていないかを注意する

ことです。

具体的に見ていきましょう。

  • 自己肯定感を高める褒め方・叱り方



自己肯定感を高めるため、褒める際には、結果・能力を褒めるのではなく具体的にプロセスを褒めることが重要です。

褒める時って、どうしてもこのように褒めてしまいがちです。

  • ドリルをやりきった子に、「ドリルが全部解けるなんて、かしこいね。」
  • ご飯をぜんぶ食べた子に、「ごはんをきちんと食べて、えらいね。」

この褒め方の何がいけないかというと、結果や能力だけを褒めてしまっているからです。

①については、子どもは、えらいから、ドリルが全部解けたんだと思うようになります。

そして、別の日に難しいドリルを解こうとする際になかなか解けないと、「かしこくないから解けないんだ」と諦めるようになってしまいます。

また、一方で②では、子どもは「ごはんは食べるものなのに、何がえらいんだろう?きちんとってどういうことなの?」って思ってしまうでしょう。何について褒められているのかが良く分かっていないので、自己肯定感は育まれにくくなるでしょう。

そこで、

①については、「ドリルを何度もやったから、全部解けるようになったんだね。がんばったね。」と言い方を変えてみましょう

この場合、ドリルを何度も繰り返して、がんばったという点について褒めています。すると子どもは、次に難しいドリルに出会った際にも、また繰り返せばきっと解けるようになるはずと考えるようになります。


この達成感の繰り返しにより自己肯定感が育まれるのです。


また、②については、「今日は苦手なきゅうりも入っていたよね。苦手なきゅうりも残さずに食べたんだね。がんばって全部食べたね。」と伝えましょう。

苦手なものがなくても、「この~は食べづらいかなって思ったけど、全部食べたんだね。がんばったね。」という言い方でも良いでしょう。

この場合、子どもにとっても、苦手なものや食べづらいものを頑張って食べることができたという点について褒められていることがわかります。具体的に褒めたことで何について褒められているのかがわかりやすいので、自己肯定感が育まれやすいです。

大人だってそうですよね。「あなたは優しいですね。」って言われるより、「あなたは、人に対する気配りが上手で、話もしっかりと聞いてくれる。優しいですね。」って言われた方がより嬉しいですよね。子どももいっしょなんです。

  • 褒める際・叱る際の親の願望とは、「きちんとした子」



次に、押さえておくポイントは、親の願望を中心に褒めたり叱ったりしていないかを注意することです。

子どもを褒めたり叱ったりする時には、なぜ褒めたり叱ったりしようとしているのか、一度立ち止まって考えてみましょう

  • コップをこぼされると、机が汚れて掃除が大変だ
  • 店内で寝転がられると恥ずかしい
  • こんな風にきちんとドリルをやってくれると助かる

どうでしょう。この褒めたり叱ったりする理由ってすべて大人の願望ですよね。もちろん、子どもの成長のためにという思いがあるのは間違いないですが、それ以上に大人の願望が紛れ込んでいないでしょうか。

子どもの発達はそれぞれです。なので、子どもに期待する行為はその発達状況に応じて考えるべきです。

なのに、親の願望がそこ期待する行為のラインを必要以上に引き上げてしまっている可能性があることを意識しましょう。

ただ、だからといって放っておいて良い…というわけではありません。

子どもの発達状況に応じた範囲で、自己肯定感を高める愛情表現をしてあげましょう


まとめ:発達に応じた正しい愛情表現で、子育てを楽しみましょう



今回は、子どもの低い自己肯定感の原因となる条件付きの愛情表現と無条件の愛情表現の違いを説明したうえで、その改善方法を紹介しました。

今回紹介した改善方法は、やればすぐに効果の出るようなものではありません。毎日少しずつでもいいので、子どもとのかかわりあいの方法を見直すことで、子どもとの関係性が改善し、その結果として、何度注意しても同じことをしてしまうというのを、親子で共に成長して改善していくようになるものです。

子どもの自己肯定感が高くなると、何事も自分でできるようになっていくので、子どもの成長を強く感じられるようになりますよ。